令和日本の経理職

「ウクライナ侵略」は世界史のターニングポイント! もう安定した社会は来ない。

世界中が驚いた「ウクライナ侵略」


2022年2月24日、プーチン大統領がウクライナに宣戦布告し侵略を開始しました。この日を境に世界が変わってしまいました。

ロシアによるウクライナ侵略が、どのような結末を迎えるのかはわかりませんが、もう元の世界には戻れません。

私の人生で「世界史のターニングポイント」を目にしたのは、これが2度目です。

最初のターニングポイントは「アメリカの同時多発テロ」でした。世界貿易センタービルにハイジャックされた旅客機が激突する映像を目にしたときです。

映像を見ながら「あぁ、これで世界史の流れが変わるな」と考えていました。

独裁者による侵略戦争が戻ってきた


実に83年振り「独裁者による侵略戦争」が戻ってきました。

いまから83年前の1939年9月1日、ヒトラー率いるドイツ軍が隣国ポーランドに侵攻しました。第二次世界大戦の始まりです。

プーチン大統領が狙った軍事戦略は、ヒトラーによるポーランド侵攻(1939年)とソックリ。陸軍の大部隊が3方向から侵攻する「ブリッツクリーク(電撃戦)」です。約20万のロシア軍機械化部隊が、北、東、南の3方面から侵攻し首都キエフを墜とすという、古典的な侵略戦争を始めてしまったのです。

相手となるウクライナは小国ではありません。人口4300万人を誇り、国土面積が日本の1.6倍もある地域大国。独裁者プーチンのターゲットはウクライナの属国化でしょう。

誰もが、このような明確な侵略戦争は、第二次世界大戦で最後だと思っていました。

国連の常任理事国である核大国が「自国の脅威になっていない隣国」に、言いがかりをつけて一方的に侵略する。そんなバカなことが、この21世紀で起きるはずがない。世界中の誰もがそう思っていたはずです。

しかし「歴史は繰り返す」の諺通り、そうした思い込みはすべて裏切られ、時代が21世紀から20世紀へと、80年間巻き戻されてしまいました。

世界は、1939年の第二次世界大戦前夜に戻ってしまいました。

1939年当時は、ポーランドの侵攻したナチスドイツに対して英仏が宣戦布告し、第二次世界大戦が始まりました。

もし、今回のウクライナ侵略にNATOが巻き込まれたら、そのときは「第三次世界大戦」の始まりです。事態の推移によっては、核戦争まで囁かれる世界的な危機になっています。

このさきも安定した社会なんて来ない


社会状況の安定という観点に立てば、この四半世紀だけでも、東日本大震災や新型コロナなど、まったく予想していなかった「巨大な阻害要因」が発生しています。

世界を見回せば、今回のウクライナ戦争、同時多発テロからアフガン戦争、第2次イラク戦争、超大国中国の勃興など目まぐるしい変化が続いています。

ゆえに、このさきも「朝鮮半島や台湾における有事」や「富士山噴火や南海トラフ地震」といったような、さまざまな巨大疎外要因が発生すると考えるのが妥当でしょう。

つまり「このさきも安定した社会状況が続くことはない」ということです。

歴史を振り返れば、江戸時代の270年間は比較的安定していたといえるでしょうね。

富士山宝永噴火のような自然災害はあったとしても、国内戦争もなく、徳川幕府の治世で士農工商に固定された社会は安定し、太平の眠りについていました。鎖国で外国の影響をまったく受けなかったのが良かったのでしょう。

太平の眠りを覚ましたのは「ペリーの黒船来航」です。

では、1868年の明治維新以降、近代日本の歴史はどうだったでしょうか。

近代日本の歴史を振り返る


明治は「士農工商で区分された武士の国」から「四民平等の中央集権国家」へと、ドラスチックに変貌した時代です。しかも、その変貌の間に、西南戦争から日清戦争、日露戦争と戦乱に明け暮れました。

元号が大正になり「やっと平和になった」と思ったら、1923年の関東大震災で首都壊滅。

その6年後、今度は海の向こうアメリカで大恐慌(株価の大暴落)が発生します。たちまち、日本もひどい経済不況(昭和恐慌)に陥りました。

陸軍の一部は、この不景気を打開するために大陸侵略を謀り、満州事変をやらかします。それが拡大して支那事変となり、最後は超大国アメリカを相手にした戦争へ突入していくのです。


その結果はどうだったでしょう。1945年の終戦までに、軍人・民間人310万人以上が犠牲となり、国中が焦土と化しました。

何が言いたいかというと、明治維新から太平洋戦争終結までの77年間で「安定した社会状況などなかった」ということです。

ただし、1950年の朝鮮特需から1991年のバブル崩壊までは例外です。日本経済は右肩上がりの成長を続け、この41年間だけは社会状況が安定していたといえるでしょうね。

その後、バブル崩壊から2022年までの31年間は「失われた30年」といわれる経済の長期衰退が続きます。(この衰退はまだ終わっていません。いつまで続くかもわかりません)

さらに、こうした経済不況の中で、阪神大震災、東日本大震災、コロナパンデミックといった「巨大な阻害要因」に襲われ続けたのです。

結局、明治維新以降の154年間で「社会的安定が得られたのは41年間」しかなかった。
 
41 ÷ 154 = 26.6% 

残りの期間113年(73.4%)は「不安定な社会状況」だったことになります。

このさきも安定した社会状況が
続くことはなく、不安定な時代を
生きていかなければならない